負荷をかけないと宇宙飛行士も歩けなくなる

 心身ともに超エリートである宇宙飛行士。それでも帰還後は自力で歩けなくなるほど体が衰えると言います。

 

宇宙飛行士は身体機能の低下を防ぐため、国際宇宙ステーション滞在中に1週間に6回、1回当たり2時間半程度のトレーニングを欠かしません。それでも筋力は半年で10~20%減少するので、地球に帰ってきた直後は、自力で立って歩くことが困難になります。そのため、リハビリをして筋肉や骨をほぼ元の状態まで回復させる必要があります。

 

プレジデント オンライン 寝たきりの人は"帰還直後の宇宙飛行士" 筋肉量・骨量低下の「廃用症候群」

 

 ましてや凡人である私たちが病気で1~2週間でも寝込んだものなら、ビックリするほど衰えてしまいます。負荷のかけすぎは痛みの原因になりますが、「負荷のかけなさすぎ」もまた、痛みや不調の原因となるのです。特にデスクワークで長時間座っている方はそうなりやすいです。同様に長時間テレビを見たりスマホゲームをする人も同じです。

 首や肩のつらさを訴える方の中には、「別に重いものも持たないし何にもしてないのにねえ」とおっしゃる方もいますが、その「普段何もしてない」が不調の原因かもしれません。

 

 どうやら人間というものは(動物も同じでしょうが)、日々適度な負荷がないと健康な体を維持できないようになっているようです。以前は痛みのあるときは「とにかく安静」と言ったものですが、最近は少々違ってきて、ギックリ腰で痛い時も「動ける範囲で」動いたほうが回復が早いとされています。安静のしすぎもまた、衰えを促してしまうからです。

 

 「何もしてないのに痛くなった」は、何もしてないことが原因かもしれません。